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    ぺんぎんCINEMA<ザ・マジックアワー>

    • 2008.09.16 Tuesday
    • 08:19
    少し前に劇場で観た映画。
    直後は、いろんな思いが胸にあふれかえって、
    ちょっと収拾つかない感じだったんだけど(笑)
    やっと、すとん、とおさまるところにおさまったみたいなので、
    感想を書いておこう。


    ザ・マジックアワー
    監督:三谷幸喜
    脚本:三谷幸喜
    撮影:山本英夫
    美術:種田陽平
    出演者:
    佐藤浩市
    妻夫木聡
    深津絵里
    綾瀬はるか
    西田敏行
    戸田恵子
    寺島進
    小日向文世
    伊吹吾郎
    浅野和之
    配給:東宝
    公開:2008年6月7日
    製作国:日本

    【あらすじ】
    暗黒界の顔役・天塩幸之助(西田敏行)の愛人・高千穂マリ(深津絵里)に手を出してしまった手下の備後登(妻夫木聡)は、命の代償に伝説の殺し屋“デラ富樫”を探し出すハメに。期限の5日が迫ってもデラを見つけ出せない備後は無名の三流役者・村田大樹(佐藤浩市)を雇い、殺し屋に仕立てあげるという苦肉の策を思いつくが・・・。

              ☆      ☆      ☆

    ま。結論から言うと、
    あたしはとても好きな映画でした。
    最近の邦画の中では、お気に入り♪
    三谷監督が自画自賛するように、
    「3分間に10回は必ず笑う」
    までは無理にしても、
    かなり笑いの沸点の高い人でも
    「10分に3回」は確実に笑える、と思う。
    そして笑ったあとに、
    ほっこりあたたかい気持ちが残るのだ。

    この映画の魅力を語るとすれば、
    ポイントは3つかなあ。

    まずは、
    三谷幸喜という人の才能は多くの人が認めるところだし、
    あたしも好きなんだけど、
    「その脚本の世界観をどれほど、ブレずに映像化できるかに
    すべてがかかってる」

    というのが
    観る前の、不安でもあり、楽しみでもあった。
    これについては、
    キャストの演技の秀逸さと、
    美術の種田陽平さんによる、
    巨大セット(なんと街ごと作った)の素晴らしさで
    期待以上の完成度だったよー。
    小説、漫画原作と、ドラマのスピンオフ作品があふれる最近の映画界で
    もはや少数派になってしまったオリジナル脚本映画だから、
    観客側にすでにできてしまっているイメージとの齟齬はない、
    というメリットはあるにしても、
    それぞれのキャラクターにきちんとはまった役者さんを選んであること、
    そして、その演技がとてもよかったことで
    すごく見応えがあった。

    特に印象的だったのは、あたし個人的には
    佐藤浩市、西田敏行、寺島進かなあ。

    主演映画の撮影だと、だまされて
    デラ富樫のニセモノに知らず知らずなりきる
    売れない役者・村田大樹を演じた
    佐藤浩市は、
    誇張した前時代的で大げさな(笑)・・・
    でも、それはもう真摯な演技が最高で、
    ナイフを舐めるシーンでは誰もが笑いを抑えることができないはず。

    監督にアドリブを封じられて
    実は相当にストレスを溜めたらしい(笑)ギャングの親玉・天塩役
    西田敏行
    限りなく抑えた演技と、
    ラスト数分の、はじけっぷりのコントラストが
    結果的に、ものすごくいい味わいになっている。

    そして、天塩(西田)の腹心の部下で
    めちゃくちゃ渋くて、怖い男・黒川役の
    寺島進も、すごいのだ。
    コワモテ、冷静沈着、冷酷な彼が、
    様々な偶然というか幸運により、
    物語(映画の脚本)の仕掛けに、すっぽりはまり、
    結果として誰よりも見事にだまされて、
    二枚目が三枚目に、いつのまにか変貌しているあたりが絶妙。

    そして、次のお楽しみは、
    映画を愛する人のための
    「映画に関する映画」としての側面。
    売れない役者を、映画撮影と偽って、
    凄腕の殺し屋に仕立てる、という設定のため、
    作中には、何度も
    様々な映画の上映シーン、撮影シーンが登場する。
    そして、かなりマニアックなものも含め、
    過去のいろんな作品のパロディというか
    オマージュが現れるから、
    元ネタを知ってる人は、にやにやしてしまうはずだ。
    『カサブランカ』『黒い十人の女』『ギター弾きの恋』など)
    生前の市川昆監督の姿が見られるのもうれしい。

    昔から、「映画に関する映画」というのは
    それだけで1ジャンルできるかも?
    っていうくらいあって、
    メタフィクション、劇中劇、
    女優・男優・監督の伝記というかたちのもの、
    映画製作のドキュメンタリーや裏話的なもの、
    映写技師さんや映画マニア、ファンを主役にしたものも含め
    映画への愛があふれる作品がたくさんあり、
    テーマは様々だけど、
    あたしも、このジャンルは大好き。
    今観ている映画そのものと
    作中の映画の両方を楽しむことができるから。


    思いつくままに書いてみると、
    『蒲田行進曲』『ニューシネマパラダイス』『エド・ウッド』
    『フランソワ・トリュフォーのアメリカの夜』『サンセット大通り』
    『ロスト・イン・ラ・マンチャ』『ゲット・ ショーティ』
    『カイロの紫のバラ』『さよなら、さよならハリウッド』
    『アビエイター』
    とか・・・。

    「ザ・マジックアワー」も、これらに負けない
    「映画に関する映画」「映画を愛する人のための映画」
    に名前を残すことになるだろう。きっと。

    最後は、物語のメッセージ性かなあ。
    ただ単にコメディとして楽しい、笑える、
    というだけでも、充分によくできた作品だけど、
    「マジックアワー」という言葉に託された
    あたたかく前向きな励ましがあってこそ、
    映画館を出るときの、あの、ほこほこした気持ちが
    生まれたのかも、と思う。

    奇しくも、「映画に関する映画」として先ほど挙げた
    フランソワ・トリュフォーの名作『アメリカの夜』と同じく、
    映画用語がタイトルであるとともに、重要なモチーフになっている。
    “アメリカの夜”とは、レンズに特殊フィルターをかけて
    昼間の撮影でも夜のシーンに見せてしまう技法。
    (夜間撮影のできる高感度のフィルムがある現在ではもう使われないみたいだけど)
    偽物、作り物の夜、つまりは「虚構」の象徴で、
    それが映画の本質であり魅力であるということ。

    「マジックアワー」
    これも映画の専門用語で、
    夕暮れのほんの一瞬のこと。
    太陽が水平線の向こうに落ちてから、
    光が完全になくなるまでのわずかな時間にカメラを回すと
    幻想的な画が撮れるといわれている。
    一日のうちで世界が最も美しく見える瞬間。

    この映画のコピーは
    「誰の人生にも、輝く瞬間がある」

    『有頂天ホテル』の撮影中、カメラマンの山本さんの口から出た
    「マジックアワー」という言葉に魅せられて
    三谷監督の中に生まれた物語。

    登場人物は、それぞれに
    人生の崖っぷち、というかテンパった状況を抱えている。
    水面下の抗争に破れ、すべてを失おうとしている老ギャング。
    籠の鳥のような生活から逃げ出したい歌姫。
    彼女の逃避願望に流されるように関係を持ったものの
    命も生活も惜しくて腰が引けてる若い手下。
    かつての二枚目スター、いまは老人向けのCMの撮影を待つ老優。
    そして、そこへ
    ぱっとしない役者生活からの脱却、
    華々しい主演映画の成功を夢見て、
    映画は偽物、実は「謎の殺し屋」の替え玉とも知らず、
    やってきた俳優。
    彼の滑稽なまでに真剣な演技が
    現実世界に、不思議な影響を及ぼし、
    まさに夕暮れのめまぐるしく変わる空の色のように、
    関わる人々の人生に変化を生んでいく。
    それぞれのマジックアワー。

    ちりばめられたツボを踏みながら、
    笑いに身を任せているうちに、
    気がつけば、様々な伏線が
    ラストへと一気に収束していく展開はお見事。
    「娯楽」としての映画の魅力を
    存分に楽しめる作品だ。

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